中高生グループの誕生
リーダー 坂口恵子
2007年春に教学部から独立、中高生グループが活動を始めました。
部活動や受験勉強、習い事などで忙しい中高生諸君、その中に是非教会の時間を入れてください。友人を作り、また友人になってあなたたちの人生を豊かなものにしていきましょう。今しかない命の触れ合いが教会にあるはずです。たくさん語り合いたいと思います。
毎月第三日曜日第二ミサの後、司祭館で会を開いていますが、他の週の日曜日も、気軽に遊びに来てください。
この夏には栃木県那須へ、京葉宣教協力体である葛西、小岩、潮見の各教会の仲間と共に、3泊4日のサマーキャンプに行きました。ウォークラリーやバーベキュー、花火など、楽しい時間をすごすことが出来ましたが、皆にとってもっとも印象深かったのは、トラピスティヌ修道院の終課(一日7回の祈りのうち最後の祈り)への参加と、成人の知的障害者施設である「マ・メゾン光星」に於いて、4日間を通して障害者の方たちと交流を持てた事だと思います。毎日朝、夕食をいただくために施設に通い、出会った方々と共に、2日目の夜、歌や楽器を演奏したり「よさこい」という踊りを教えていただきながら一緒に踊ったりと、心の触れ合いが出来ました。
参加者の一人である高校一年生の新谷葵さんが、その時の感想を記してくれたので、紹介します。
マ メゾン光星を訪れて
新谷 葵
東京では猛暑が続く中、私は毎週通っている教会のSummer Campで栃木那須高原に行きました。
それは私と同じ年代の人達が集まって交流を深めることを目的として行くCampです。
那須に着き、バスから降りると東京とはまるで違いとても涼しかったです。宿泊する所は山を登ったところにありました。
そこは普段は神父になる前、つまり神学生の方々が生活する寮ですが、夏休み中は神学生も夏休みなのか誰もいませんでした。私の班は同学年のしおりと一つ年下のアンナでした。しおりと出会ったのは堅信式の日……あの日私は堅信のお祝いということでサックスを吹くことになっていました。神父様に「もう一人トランペットのしおりちゃんという子が来るからね」と言われ、とても楽しみでワクワクしていました。当日ミサが終わり、演奏の準備のため教会の隣にある神父様の家で楽器を組み立てていました。すると、ガチャ……バタバタバタバタ…玄関のドアの開く音と廊下を走る音がほぼ同時に聞こえてきました。
そしてガラっ……目をまんまるにして「もしかして葵ちゃん?」としおりが声をかけてくれました。私も驚いて「うん!!しおりちゃん?」そう返すと首を縦に振り、握手をして二人で「会いたかった〜」って言い合いました。まるで久しぶりに再会した親友のように。なぜかしおりと会ったとき初めてじゃない気がしました。前から知っていたような……そんな事を思いながらさっそくしおりもトランペットを組み立ててはじめました。しばらくたって流れてきた曲は「聖者の行進」。しおり独自のアレンジでいきのいいジャズのようでした。私はそれを聞いた時「セッションしたい!」と思いました。しおりのアレンジなので楽譜などはありません。全てを耳で聞き取って自分のサックスに合う音を探していきました。ピッタリ合う音が見つかると私も私なりのアレンジで吹いてみました。そこで二人とも「よし!これでいこう!」と意気投合し、いざ本番へ!最初にお互いソロで演奏しました。しおりは「天空の城ラピュタ」でも同じみの「鳩と少年」で、私は「Overtheレインボー」でした。そのあとにその日初めて会って、そして初めてのセッションの「聖者の行進」を二人で演奏しました。聞いてくれている信者さん達も手拍子を入れてくれて会場は私たちの音楽で染まっていました。吹き終わった後、私たちは目を合わせ、にこっと笑い握手を交わしました。そんな出会いをしたしおりでした。
一方アンナとはこのキャンプで初めて会う子でした。会った瞬間同学年かなと思うくらい大人っぽい女の子でした。アンナは野菜が大の苦手。さやいんげんはそうとう嫌いなのか、中の小さな豆を取り除いてみてはそれをつっついたり……(笑い)とても見てておもしろいなあと思っていました。しかし日にちを重ねていくごとに、アンナにも変化が……自分から野菜に挑戦しているのです。あんなに嫌がっていたキャベツのみそ汁も完食。さやいんげんも食堂で食べてるのがアンナ一人になってもあきらめず、時間がかかっても試合には勝ち進んでいます。次第に私はおもしろいという印象から、勝負に挑む強い女の子だと変わっていきました。アンナを見ていて私の中で薄れかかっていたあきらめない心がまた改めて蘇りました。
他にもたくさん、個性豊かな人たちがCampに参加してました。
*マ・メゾン光星の紹介
作品の題名にもなっている「マ・メゾン光星」とは障害者支援施設のことです。年齢は若い方で18才、年輩の方で六十代の方までいらっしゃいます。私は正直な所、昔から知的障害の方に偏見がありました。だから、今回も施設でどうすればいいか、障害の方とどう接したらいいのか不安でした。施設を訪問する日になり、みんなでマ・メゾン光星に訪問しに行きました。さっそく一人のおじいさんが私に声をかけてきました。私より背の低い小柄なおじいさんでした。私は戸惑いながらも必死におじいさんの言葉に耳を傾けました。おじいさんさんはその手にしっかり握った本を大切そうに持っていました。その本はボロボロで今にも表紙がはがれそうでした。きっとおじいさんの大事な宝物に違いないと思いました。おじいさんは本を開き「これ読める?読める?」と聞いてきました。中をみると全てドイツ語で書かれているようでした。私は「読めません。おじいさんは読めるんですか?」と尋ねると、「読めるよ!」と得意げに返してくれました。(本当に読めるのかなあ?)と思いましたが、そっと自分の心のなかにしまっておくことにしました。話が終わると、満足したの満面の笑みとともにどこかへ行ってしまったと思ったら、少し離れた所にいたアンナに本を開いて一生懸命に話していました。話すことが好きなんだなあと思いました。
気付くともう昼食の時間になっていました。食事の時間になるとやってくるのが矢田部さん。通称「やたさん」。やたさんは黒いTシャツに半ズボンのがたいのいいおじいさんです。一緒にCampに来ていた神学生の話によると、やたさんは新しい人が来ると必ずどこからか察知し、会いにくるのだそうです。今回のCampでは二日目から来る人も少なくありませんでした。なので途中参加をしてきた人たちも一緒に食事をしていると……本当にやってきました。やたさんです。やたさんは早速新しく来た人の前に立ち、「あなた今日きた?」と問いかけます。問いかけられた人は少し戸惑いながらも「はい」といい握手でご挨拶。やたさんの観察力に私は驚きました。やたさんはマ・メゾンのムードメーカーなのかなと思いました。
*よさこい
そんなやたさんも含め、マ・メゾンの方々と私たち教会のみんなとで交流会をすることになりました。マ・メゾンの方々は私たちに「よさこい」という踊りを踊ってくれました。スウェーデンという海外での公演も成功させただけあって、踊りは迫力ある力強いものでした。決してビシッと決まっているわけではありませんが、一人一人が輝いて生き生きとしているのです。今までと目つきがガラッと変わって真剣です。踊りを見ていると、ぐっと込み上げくるなにかがありました。上手く説明はできません。それは私だけではなく他の教会の人たちも同じでした。ぽろぽろ涙が止まらない人もいました。そんな感動的な踊りの次は、一緒に踊ろうということで、マ・メゾンの方々に踊りを教えてもらい、一緒に踊りました。マ・メゾンの方々も私たちもすっかりなじんで心から楽しめた瞬間でした。最初の不安などどこかへ消え去っていきました。
さて今度は私たちがお返しをする番です。私たちは歌のプレゼントをしました。教会の歌で「主は水辺に立った」という曲です。私はサックス、しおりはトランペットで伴奏をしました。マ・メゾンの方々は真剣に聞いてくださり、大きな拍手をもらいました。私たちはとても嬉しくなりました。最後はマ・メゾンの方々も一緒に「神様はいつもいっしょ」「アーメン、ハレルヤ」をみんなで歌いました。とても盛り上がり楽しい一時でした。交流会は終了し、みんな帰りはじめました。そこで私たちは部屋の隅っこであの日セッションした「聖者の行進」を締めに吹きました。すると帰ろうとしていた人も動きが止まり私たちの方に向いてくれたのです。手拍子をしてくれる方もいました。その時私は「音楽って本当に誰でも共通なんだな。すごいな。やっててよかったな」と思いました。「音楽って難しい」と思う人もいますが、それは違います。音楽はあなたのすぐ側にあるのです。楽器が吹けなくても、手を叩いてリズムを作るのも音楽です。音楽はさまざまな形になってあなたのすぐ側にあると思うのです。私は音楽を人と人とがつながりあえる魔法のようなものだと思っています。マメゾンの方々と仲良くなれたのも音楽があったから。私はそんな風に考えます。
*今回のキャンプを通してまなんだことは人と人とが交わるとき声を出して自分の気持ちを伝えること、相手の話もよく聞くこと、なによりも一緒に楽しむこと。そのようなことが人と人とが上手く交わっていける秘訣なのかなと思います。今、自分の中で育てていきたいことは人を思いやる優しい心と、何事にもあきらめないという心です。今回のCampでは、そういった私に欠けていたものを改めて気付かさせてくれた貴重な時間になりました。来年もまたやたさんたちに会いに、そして自分の心も育てにいきたいです。
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